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夜の調子とサプリ|臨床試験で差が出たもの、出なかったもの(2026年7月版)

男性向けサプリの成分を臨床試験の結果で整理した記事のアイキャッチ

※この記事にはPR(アフィリエイト広告)を含みます。出会い系サービスは18歳未満(高校生を含む)は利用できません。

会う約束が取れたあと、当日のコンディションが気になることがあります。

「前日に何か飲んでおけば間に合うのか」

「よく名前を見る成分は、本当に何か分かっているのか」

「月いくらくらいかかるのか」

検索するとランキング記事がずらっと出てきますが、どの成分にどれだけの研究があるのかは、ほとんど書かれていません。売れている順に並んでいるだけ、ということも多いです。

この記事では、男性向けサプリでよく名前が出る成分を、臨床試験でどこまで差が出たかで並べ直しました。効く順ではなく、調べられた量と質の順です。

先に前提を1つ。サプリメントは食品で、医薬品ではありません。ここで紹介するのは商品の効果ではなく、その成分を調べた試験で何が起きたか、という話です。

目次

先に3つだけ

1. 前日や当日には間に合いません。この記事で扱う試験は、どれも8週間、1か月、長くて12週間、毎日飲み続けた結果です。1回だけ飲んだ場合を調べた試験は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。明日の予定に効かせる用途では、この記事のどれも当てになりません。

2. 最上位が付く成分はありませんでした。「複数の質の高い試験が一貫して差を示した」と言える成分はゼロです。いちばん強いものでも「良い試験が1本ある」段階です。

3. 買わないほうがいいものは、はっきりしています。ファドギアという成分は、ヒトの試験がないまま売られていて、動物実験で毒性が出た量が市販量とほぼ重なります。詳しくは後述します。

早見表

成分試験で分かっていること試験で使われた量・期間月あたりの目安
アシュワガンダ二重盲検の試験1本で、性的欲求と総テストステロンに差1日600mg・8週間約1,200円
紅参研究は多いが、まとめ方で結論が割れる1日3,000mg以下・最長12週未確認
サフランまとめが3指標で差を報告。ただし量が不明不明約2,200円
シトルリン血管の指標は改善。性機能は24人のパイロット試験のみ1日1.5g・1か月未確認
トンカットアリ効果量は大きいが、ばらつきも大きい不明未確認
ビタミンDまとめ解析で総テストステロンのみ差。他の項目は変化なし不明未確認
亜鉛2,370人の試験で差なし(葉酸との併用)不明未確認
マグネシウム単独で調べた質の高い試験が見つからない未確認
マカ・トリビュラス2025年のまとめが名指しで「根拠不十分」未確認
ファドギアヒトの試験ゼロ。毒性の出た量が市販量と重なる

費用は2026年7月時点のiHerb(海外通販)の実売価格から、試験と同じ量で飲んだ場合を概算したものです。商品の並びやラベルの書かれ方も、同じ時点のiHerbの棚で確認しました。相場は動きます。「未確認」は、試験と同じ量を出せる商品の価格を今回確認できていない、という意味です。

まず、買わないほうがいいもの

最近よく名前を見るようになったファドギアという成分があります。ここだけは、はっきり書きます。

  • ヒトを対象にした臨床試験は、確認できる範囲ではゼロです(2025年時点で調べたまとめによる)。評判のもとは、ほぼラットの実験です。
  • 動物実験では、量を増やすとテストステロンが上がる一方、肝臓・腎臓・精巣への毒性も出ています。
  • 毒性が確認されたヒト換算の量は607mgでした。市販品によく使われている量は1日300〜600mgです。

毒性の出た量と、店で売られている量が、ほぼ重なっています。

厄介なのは、単体で売られているとは限らないことです。トンカットアリとの合剤として、複数の成分をまとめた商品に入っていることがあります。成分表を見ないと気づけません。買う前に成分表でこの名前を探す、というのが、この記事でいちばん実用的な一手です。

成分ごとの中身

早見表の根拠です。数字が気になるところだけ拾い読みできます。

アシュワガンダ|数字がいちばんはっきりしている

健常な男性を対象にした二重盲検の試験があります。30〜50歳の100人(解析対象は93人)に、8週間、1日600mgを飲んでもらう作りです。

  • 主要な評価だった「満足できる性行為の回数」は、実薬側で有意に増えました。
  • 性的欲求の指標は、実薬 +20.89 に対してプラセボ +6.26。ここは差がかなり大きく出ています。
  • 総テストステロンは、実薬 +70.46 ng/dL に対してプラセボ −49.68 ng/dL。
  • 有害事象の報告はなく、肝臓と腎臓の数値にも変化はありませんでした。

この分野では珍しく、数字が具体的に出ている試験です。

ただし条件があります。エキスを提供したのは、その原料ブランドの製造元でした。そして対象は「健常な男性」で、勃起障害と診断された人ではありません。研究者自身も、少人数であることと、参加者の自己申告に頼っていることを限界として挙げています。

実務メモ:1粒600mgの商品なら1日1粒で試験と同じ量になります。90粒入りで約3か月分、月あたり1,200円ほどです。試験が差を見たのは8週間の時点でした。

紅参|評価が真っ二つに割れている

高麗人参、特に加工した紅参は、この分野でいちばん研究が多い成分です。ところが、まとめ方によって結論が変わります。

Cochraneという、研究をまとめて評価する国際的な組織のレビューは、9つの試験・587人分をまとめています。軽度から中等度の悩みを持つ20〜70歳が対象です。

  • 勃起機能の指標は、プラセボとの差が平均3.52ポイントでした。
  • 「性交が可能になった」という自己申告は、プラセボの2.55倍でした。
  • 性交の満足度は、プラセボとの差が平均1.19ポイントでした。

数字だけ見ると悪くありません。ところが、すべての項目で確実性は「低い」と判定されていて、著者自身の結論は「ごくわずかな効果しかないかもしれない」です。使われた量は1日3,000mg以下、追跡できているのは最長で12週まで、そして医薬品との比較試験はありません。

一方、2025年に出た別のまとめ(14試験・1,227人)は、人参について勃起機能だけでなく性的欲求やテストステロンにも有効としています。

同じ成分で、まとめる人によって結論が逆になっているわけです。片方だけを引けば「人参は効く」とも「効かない」とも書けます。実際、そういう記事は両方あります。読むときに見るのは、どちらのまとめを根拠にしているかです。

実務メモ:ここは商品選びが難しい成分です。Cochraneが扱ったのは紅参ですが、海外通販の棚には「高麗人参根」「オタネニンジン」とだけ書かれた商品が多く、紅参加工とは限りません。紅参と明示された商品の価格は今回確認していないため、月あたりの費用は出せませんでした。

サフラン|まとめは差を報告、ただし使った量が分からない

2025年のまとめは、サフランを調べた試験について、勃起機能・オルガズム機能・性交満足度の3つで有効と報告しています。

ただ、どれくらいの量を、どれくらいの期間使ったのかが確認できていません。論文の全文にたどり着けていないためです。量が分からないものは、飲み方まで書けません。分かったら追記します。

実務メモ:1粒28mgの商品を1日1粒で飲んだ場合、月あたり2,200円ほどです。ただしこれは試験の量ではなく、商品の目安量です。

シトルリン|血管の話と、小さな試験がひとつ

血管の状態を調べた研究がまずあります。8つの試験・176人分をまとめた解析で、血流に応じた血管の広がりが改善しました。これは血管の指標であって、性機能の指標ではありません。

性機能を直接調べた試験もあります。軽度の悩みを持つ24人に、1日1.5gを1か月飲んでもらったパイロット試験です。

  • 勃起の硬さの指標が1段階上がった人が、実薬で24人中12人(50%)、プラセボで2人(8.3%)。
  • 性交の回数は、月1.37回から2.3回に増えています。
  • 研究者は「短期的には医薬品ほど強力ではないが、安全で受け入れられやすい」と結論しています。

数字は出ています。ただし24人のパイロット試験で、しかも参加者だけを盲検にした簡易な作りです。ここを外して数字だけ引くと、実際より強く見えます。

現在、医薬品との比較試験が進行中です。結果が出れば位置づけははっきりします。

トンカットアリ|解析の効果量は大きいが、ばらつきも大きい

9つの研究をレビューし、うち5つのRCTをまとめた解析では、総テストステロンに有意な差が出ています。効果量の指標は1.352で、これはかなり大きい部類です。

ただ、その信頼区間は0.565から2.138まで広がっています。研究ごとのばらつきも大きい。効果量が大きすぎて、かえって慎重に見たほうがいい類の結果です。

ビタミンD・亜鉛・マグネシウム|足りている人が足しても、という話

この3つは「基本の栄養」としてまとめて売られていることが多いです。ただ、分かっていることは1つずつ違います。

ビタミンDは、まとめ解析で総テストステロンが有意に増えています。ただし遊離テストステロン、FSH、LH、SHBG、エストラジオールは、いずれも変わりませんでした。動いたのは1項目だけ、ということです。

亜鉛は、むしろ否定的な結果があります。不妊治療中の男性2,370人を対象にした試験では、葉酸と亜鉛を組み合わせて飲んでも、精液の状態に差は出ませんでした。この規模で差が出ないというのは、それなりに重い結果です。なお、この試験は併用なので、亜鉛だけの結果とは読めません。

マグネシウムは、単独で調べた質の高い試験を見つけられませんでした。

実務メモ:この3つは、買う前に健康診断の数値を見たほうが早いです。不足していない人が足す前提の試験は、今回の範囲では見当たりませんでした。

マカ・トリビュラス|売れているのに、根拠は薄い

マカは、この分野でいちばん名前を見る成分のひとつです。海外通販でも常に上位に並んでいます。

ところが、4つのRCTをまとめたレビューの結論は「限定的な証拠」でした。一部の試験で性的欲求に差が出て、別の試験では差が出ていません。さらに2025年のまとめは、マカとトリビュラスを名指しで「根拠不十分」としています。

売れている量と、調べられている量は別ものです。マカが悪い成分だという話ではなく、「よく売れている=よく調べられている」ではない、という話です。

日本で買うときに、どこで詰まるか

海外通販で買おうとすると、日本側のルールで止まるものがあります。ここは検索してもあまり出てきません。

持ち込めないもの・数量が制限されるもの

次の成分は、日本では医薬品成分の扱いになります。サプリの棚に並んでいる国もありますが、日本では扱いが変わります。ただし止まり方は同じではありません。

持ち込めないもの

  • メラトニン(処方なしの個人輸入は不可)
  • DHEA(7-Keto DHEAを含む。未承認の輸入は不可)

数量の制限がかかるもの

  • ヨヒンビン、ヨヒンベ
  • 5-HTP

DHEAとヨヒンビンは、まさに「夜の調子」の文脈で名前が出る成分です。海外の記事を読んで買おうとすると、DHEAは持ち込めず、ヨヒンビンは量で引っかかります。

なお、この4成分が医薬品成分に当たるという分類自体は、公的な一次資料まで確認できていません。二次情報を根拠にしています。

数量のルール

医薬品として扱われるものには、通関できる量の上限があります。厚生労働省の地方厚生局が示している基準は次のとおりです。

  • 処方箋医薬品:1か月分
  • 市販薬:2か月分
  • 外用剤:24個まで
  • 化粧品・医薬部外品:1品目につき24個まで

ここで誤解が広まっています。「サプリは2か月分まで」と書いている記事がありますが、サプリ専用の制限リストがあるわけではありません

正確には、こういう順番です。

  1. その成分が医薬品成分と判断される
  2. その製品が医薬品として扱われる
  3. 上の数量ルールが適用される

つまり、アシュワガンダ、紅参、サフラン、シトルリンのような普通のハーブやアミノ酸は、この数量表の対象ではありません。心配する必要のないところで心配しても仕方ないので、分けて覚えておくと楽です。

ラベルで見る2項目

商品を選ぶとき、ラベルで確認できることが2つあります。

1つ目は、紅参かどうか。Cochraneのレビューが扱ったのは紅参です。「高麗人参根」「オタネニンジン」とだけ書かれた商品は、紅参加工とは限りません。研究の話を根拠にするなら、紅参と書かれているかが分かれ目になります。

2つ目は、試験で使われた量と比べてどうか。アシュワガンダなら1日600mg、シトルリンなら1日1.5gが、上で紹介した試験の量です。1粒あたりの量と1日の目安量を見れば、桁が合っているかは分かります。

ここで1つ断っておきます。量が同じでも、試験で使われたものと市販品が同じとは限りません。製剤の作り方も、抽出の仕方も違います。今回の調べでは、試験に使われた紅参の製剤やブランドが市販品のどれに当たるかまでは確認できていません。量は目安どまりです。

線引きだけ

気になる状態が続いているなら、成分を探すより泌尿器科で相談するほうが早いです。持病で薬を飲んでいる人は、飲み合わせの確認が先になります。

結局どうするか

順番としては、これが現実的です。

  1. 明日の予定には間に合わない、と割り切る。数週間単位の話です。
  2. 気になっている商品の成分表を見て、ファドギアが入っていないかを確認する。
  3. 基本の栄養から入るなら、先に健康診断の数値を見る。
  4. それでも1つ試すなら、いちばん数字がはっきりしているものから。ただし試験は健常者が対象で、原料は製造元が提供していた、という条件つきです。

サプリで劇的に何かが変わる、という話にはなりませんでした。ただ、どれが調べられていて、どれが調べられていないかは、はっきり分かれます。それが分かるだけでも、ランキング記事の見え方は変わるはずです。

会う前後の段取りそのものは別の話です。連絡のペースや会うまでの期間は連絡のペースとタイミングの記事、初対面の組み立ては初対面でお茶に進める記事に分けてあります。

補足:この記事の数字の読み方

研究の話を読むときは、この3つを見ると誤解が減ります。

1つ目は試験の型です。参加者を実薬とプラセボにランダムに振り分けた試験(RCT)が基本で、それを複数集めてまとめたものがメタ解析です。人数が数十人の小さな試験と、複数の試験をまとめたものでは、言えることの重さが違います。

2つ目は確実性の評価です。差が出ていても、研究の作りが甘ければ「確実性は低い」と判定されます。数字だけ見て強い弱いを決めると、ここを見落とします。

3つ目は誰が原料を出したかです。サプリの試験は、原料メーカーが材料を提供していることが珍しくありません。結果が嘘になるわけではありませんが、知らずに読むのとは違います。

研究の多くは海外で行われていて、対象も年齢もばらばらです。日本の読者にそのまま当てはまるとは限りません。

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